SSブログ
日本建築 ブログトップ

三渓園と江戸初期の建築 [日本建築]

hachi1.jpg

先週末、所属しているNPO日本民家再生協会の会議と
見学会があり、横浜の三渓園を訪れました。

原山渓という明治時代の実業家が、京都や鎌倉から
貴重な日本建築を集め、庭園を造り、後に市民に開放しました。

上の写真は、臨春閣。江戸初期、家光の時代の建物です。
桂離宮と同じ頃でしょうか、私の大好きな小堀遠州、片桐石州の生きた時代、
数寄屋造りが豊かに広がる時期ですね、タイムマシンがあったら行ってみたい!

hachi3.jpg

今回、特別に内部を見学させていただきました。

紀州徳川家の御殿、と言うことですが、とても柔らかな意匠です。
大坂夏の陣から34年、戦時の緊張も薄ぎ華やいできた時代なのでしょうか?

座敷があり、庭があり、その中間領域として縁側がある。
柔らかに外部へと繋がって行く、これは日本建築の特徴の一つです。

hachi2.jpg

さらに特別に2階へも上がらせていただきました。

外部の自然と建物が共鳴しているかの様ですね、
手摺の高さも美しく、現行法規の1.1mでは、こうはいきません。

hachi4.jpg

こちらは聴秋閣、小堀遠州のライバル?佐久間将監作とのこと。
住むための建物ではなく、庭園の中で茶など点て休息する遊びの建物。
45度に切った床脇や木のタイル、つくづく楽しい建物です。

機会があれば中に入ってみたい!

その他、月華殿も江戸初期の建物。国宝こそありませんが、
数寄屋風書院造りを関東で堪能できるのは、三渓園です。

原山渓翁、ありがとうございます。

三渓園
http://www.sankeien.or.jp/index.html

コメント(0) 

かっこいい建築 [日本建築]

ioya2.jpg

日本建築研鑽会で訪れた角館で出会いました。

大谷石のような凝灰岩(東北なので緑色凝灰岩かな?)を巧みに加工して
造られていました。

施主と職人の気持ちが、ガンガン伝わってくる!くる!!

ioya1.jpg

ファサード(正面)も、いい顔しています。

角館町観光協会のHPによると、大正15年建造。
と、言うことはF.L.ライトの帝国ホテルの竣工後なので、その影響を受けたのか?

まったく別な発想の元に造られたのか?興味が尽きません。

角館町観光協会
http://kakunodate-kanko.jp/blog/2011/07/post-1923.html

帝国ホテル(ライト館)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
コメント(0) 

お地蔵様4 [日本建築]

ojido4.jpg

ゴールデンウィークを挟み、あっという間に一ヶ月が過ぎてしまいました。

後追いですが、お地蔵様の続きです。

ojido5.jpg

屋根、木口塗装も完了し、金物・唄(ばい)も上の写真のように取付け、

建築工事は完了したのですが、日本建築には大事な工事が残っています。

ojido1.jpg

植木職の登場です(彼も30代ですが良い仕事をしてくれます)。

建物と周囲の環境(風土)を繋ぐ、石組み、植栽、小さくても、ささやかでも、

それらがあってこその日本建築だと考えています。

ojido3.jpg

最初の写真と比べてみてください、建物だけでは成り立たないのが、

解っていただけると思います。

ojido2.jpg

後ろ姿も、周りの環境に溶け込み、いい感じです。

ここまでやって、完成です。


コメント(0) 

お地蔵様 [日本建築]

oji2.jpg

地元のお客様の庭にお地蔵様、その屋根を作り直している。
小さいながらも肘木や斗升で屋根を支え、足元は貫工法で固めます。

もちろん材料は国産の桧と杉。素性の良いものをそろえることが出来ました。

oji3.jpg

棟梁は30代、仲間二人とうれしそうに作業を進める。
真剣な良い表情で鑿を使っていますね。

oji1.jpg

そして、綜合建設の秘蔵材、群馬の林業家・小森谷さんの杉板登場!

http://so-go.blog.so-net.ne.jp/2009-07-13

どのように使われるかは、次回で。


コメント(0) 

日本建築研鑽会 日光東照宮 [日本建築]

nikko2.jpg

4月25日(日) 日本建築研鑽会の幹事メンバーU-50で
日光東照宮平成大修理現場へ行きました。

一般公開されていない現場を見学することが出来ました。

上の写真は、拝殿正面、龍の彫刻です。

東照宮と言えば建築彫刻で有名ですが、
間近で見る大きさにまず圧倒、奥に写る人と比較してください。

大きさだけではなく、今にも動きだしそうな彫刻の完成度に感動!

nikko3.jpg

彫刻の修理工房も見学してきました。

まず下絵を起こし、研究確認し、彫刻へ彩色を施すそうです。

職人さんは、地元近くの方達だそうで、江戸期の創建から
ずっと、日光の建物を守ってきた伝統を感じます。

nikko1.jpg

建物のあらゆる部材に装飾が施された東照宮、
これもまたひとつの、建築を支える美意識の表れ、

今までは、なんだかゴテゴテとした装飾過多の建物という
印象が強かったのですが、

今回あらためて、彫刻、漆、彩色と高度な職人技を間近で見て、

建築と工芸が一体となった至高の建築なのだなと思いました。

昨日の数寄屋が引き算の美学なら、東照宮は足し算の美学、
でしょうか。

日光東照宮と平成の大修理については、

http://www.toshogu.jp/heisei/index.html

コメント(0) 

日本建築研鑽会 [日本建築]

matuyama.jpg

「日本建築研鑽会」がいよいよ始まりました。

当社が加入するNPO日本民家再生協会の登録事業者、
その若手組織U-50が立ち上げた「連続勉強会」です。

その組織の一員として、第一回目の東京講座の幹事を務めました。

通常の建築勉強会は、東京など場所を固定して行うのですが、
今回は、全国組織のNPOの利点を生かし、全国を廻り、
各地の建築を支える技術や美意識の違いを探っていきます。

kensan1.jpg

第1回目の東京講座は「東京らしさ」を表現する建築はと考え、
近代数寄屋の巨匠・吉田五十八先生の流れを受け継ぐ
板垣 元彬先生に講師をお願いいたしました。

まず、(株)水澤工務店で施工中の現場を見学させていただき
東京芸大の教室を借りて、講義を行います。

先生の作品をスライドで映し、設計者自らの解説を聞く
とても得難い講義となりました。

kitayama.jpg

現在施工中の現場も、作品写真も、どちらも研ぎ澄まされた
プロポーションの美しさに皆、圧倒されました。

打合せ時に平面図を見せていただいたのですが、
平面図ですら美しいプロポーションを持っています。

日本建築のひとつの頂を体感することにより、
奥の深さを感じ、美しいものへのさらなる探求心が喚起されます。

今回、快く講師を引き受けていただいた板垣先生はじめ、
東京講座の実現にご尽力いただいた方々に心から感謝いたします。

今年度の勉強会は東京をスタートし、長野、高山、京都、石川県と
日本建築探訪の旅を続けます。

コメント(0) 
日本建築 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。